- 夜会話-リーハ・ティカ -

夜会話-リーハ・ティカ ◆

• 夜会話集

第8話 ◆

リーハ：（今日はすごく疲れたわ
　　　　　　バンナの実でも食べてから寝よう）
【物音がして、リーハが「！」と驚く】
リーハ：えっ、誰かいる！？
　　　　　まさか泥棒？
　　　　　こらっ、そこにいるのはわかって
　　　　　るんだからっ。出てきなさい！
【ティカが焦りながら出てくる】
ティカ：きゃ〜っ、泥棒じゃないですっ
　　　　 あたしですよっ
リーハ：あっ、ごめんね。物陰で気配が
　　　　　したから、泥棒かと思ったの
ティカ：ちょっと、歌を歌ってもうるさく
　　 　　ない場所を探してたんですよ
　　 　　でも夜だし、知らないおうち
　　 　　だし、迷っちゃってて
リーハ：歌？
ティカ：あたし、歌を歌うのが好きだけど
　　 　　夜中にうるさくするのもイヤだし
　　 　　人前だと恥ずかしいから……
リーハ：そうなの……じゃ、いいところを
　　　　　教えてあげるわ
【２人がバンナの樹の側まで移動する】
リーハ：ここなら、樹の陰になってあまり
　　　　　歌声も聞こえないと思うわ
　　　　　お気に入りの場所なのよ
ティカ：ありがとう、リーハさん
リーハ：ねえねえ、お礼代わりに私にも
　　　　　歌、聴かせてくれない？
ティカ：わっ、恥ずかしいですよー
リーハ：……ダメ？
ティカ：じゃ、内緒にしてくださいね
【ティカが「♪」と歌い始める】
ティカ：♪……小さな星が〜
　　 　　おやすみなさいと告げました〜♪
　　 　　♪……鳥は眠るよ、つばさを
　　 　　たたんで眼を閉じて〜♪
リーハ：うわぁ、すごく上手じゃない！
　　　　　きれいな声だし、聞き惚れちゃうわ
ティカ：リーハさん、ほめすぎですっ
リーハ：ねえ、また聴かせてくれる？
　　　　　私も嬉しいし、ここに生えてる
　　　　　バンナの樹の精霊も、きっと喜ぶわ
ティカ：そんなに素敵かはわからないけど
　 　　　何だか嬉しいです
リーハ：いい夢見て眠れそうだわ
　　　　　私、そろそろ戻るわね
ティカ：おやすみなさい、リーハさん

いい夢を見てくださいね